宇津木流スキンケアを推奨されている形成・美容外科医の”宇津木龍一先生”にインタビューをさせて頂きました。
宇津木 龍一先生(Ryuichi Utsugi)
クリニック宇津木流 院長。
1980年、北里大学医学部卒業。同大学形成外科学教室講師、ペンシルバニア大学形成外科非常勤講師、北里研究所病院美容外科・形成外科部長などを経て、日本で最初のアンチエイジング専門施設・北里研究所病院美容医学センターを創立。センター長に就任する。2007年より現職。日本では数少ない眼瞼下垂とフェイスリフト手術専門の形成・美容外科医として、肌荒れ、シワ、たるみなど顔の老化の予防と治療に特化して取り組んでいる。
テーマは「あなたの宇津木流スキンケア、間違っていない?」。宇津木流スキンケアをしている方が悩みやすいポイントを重点的に取材。知っておくべき知識、本を読んで疑問に感じた事、読者様より頂いた悩みなど、本には載っていないような貴重な内容となります。
今回は日焼のメリットと日焼け止めの害、シミが出来る原因について。
宇津木流スキンケアを頑張っている方はもちろん、現在肌トラブルに悩んでいる方に読んでいただきたい内容です。
\はじめから読む/
-
宇津木龍一先生インタビュー①プロフィール&宇津木流スキンケアを12年間続けてオススメしている理由
続きを見る
宇津木先生インタビュー②日焼けのメリットと日焼け止めの害
「日焼けのメリットと日焼け止めの害(シミが出来る原因)」について、先生とのお話を共有していきます。
天パたまこんぶ、以下T)
まず1つ目の質問が「日焼け」についてです。「日焼けのメリット」と「日焼け止めの害」についてお聞きしたいです。
宇津木龍一先生、以下U)
日焼けのメリット、、ですか?
T)そうです。あえて日に当たるメリットを知りたい理由がありまして。私は、宇津木流スキンケアを途中で断念してしまう方の多くの原因は“日焼けを過剰に怖がっている事”だと思っているんですね。というのも「宇津木流スキンケアをすると老ける」と思っている方が結構いらっしゃって。何故「老けると思うのか」を深堀した所、日焼けをするとシワ、シミ、弛みがでて老けると思い込んで365日日焼け止めを塗り、その日焼け止めを落とす為に洗顔やクレンジングをしてしまうんです。結果、肌のバリアが壊れて乾燥。化粧品を塗りたくなり、宇津木流スキンケアを断念する流れになる事が多いと感じたんですね。
私は今、日焼け止めは特別な日だけ塗ればいい、日常生活では日傘や帽子で紫外線は遮ればいいと思っているんですね。実際それで何も問題がないので。ですから、ここをクリアできれば宇津木流スキンケアを続けられる方が増えるのではないのかな、と思って先生の考えを教えて欲しいのです。
心身健康でいる為には太陽の光が必要
U)なるほど。まず、日焼けのメリットですが、太陽の光に当たっていないと、ほとんどの生物は生きられないんです。暗闇の中で生きていられる生物は限られているんですよ。我々が子供の頃は家の床下を覗くことができたのですが、日の当たらない床下は草1本生えていないんですね。また、光の届かない洞窟などもありますが、苔しか生えていないんです。つまり、太陽の光とは生命を育む、何かまだ分からないパワーの様なものが沢山含まれると思うんです。要するに、真っ暗な洞窟の中では人間などの生命は維持できないと。自分の中でそういう原則があるのが1つ。
それと、日照時間と自殺率は相関していると言われているんですね。精神状態を健康にする為に、曇りでも青空でも、外に出て直接光を浴びるというのは精神的にも肉体的にも必要だという原則は持って欲しいです。特に私は秋田出身で北国の育ちなので、寒い時には日向ぼっこや、夏も太陽に当たって真っ黒になるのも心地よかったんですね。太陽から隠れる事の方が不健康で、なんとなく息苦しいような感じがします。また、科学的にいうと日光に当たるとビタミンDが出来るという明らかなメリットもありますね。
T)身体や精神面が健康でないと、美肌にもなれませんよね。
U)そうです。人間としての基本的な所に、太陽の光は役に立っているという事なんです。
次に日焼け止めの害についてですが、日焼け止めを使用している方のほとんどが「日焼けするとシミになる」と言うんですよ。
T)そうですね、実際に私も先生の本を読むまでずっとそう思っていました。
日焼けでシミが出来るというのは嘘!?
U)
私の父親は海釣りが好きでしたので、漁師の家によく行っていて、子供の頃は私も漁について行ったりもしていたんですね。その漁師さんの奥さんがオシャレで化粧品をよく使う方で結構シミがあったんです。でも、毎日漁に出て太陽と潮風に当たっている漁師さんは赤銅色の肌だがシミが無かったんですね。それで、私の父も医者だったのですが、奥さんが「何故シミが私は出来て夫は出来ないんでしょうか?」と父に聞いていたのを覚えていて。何年か前にネットで「漁師の顔」で調べたのですが、やはり漁師の顔にシミはないんですよ。なので、太陽に当たるとシミが出来ます、というのは嘘なんです。
それでシミが出来る原因をよくよく調べていくと、炎症で皮膚が赤くなっている部分はシミになるけれど、炎症がない部分は日焼けはするけれどシミにはならないんですね。もちろん光老化というのはあるかもしれないけれども、昔から日本人は、特に男の人は夏は真っ黒に焼けて、冬もスキーで真っ黒に焼けていたけれどシミにもなっていないし、それで特別に老化した、という感じもなくて。日焼けは関係ないと私自身、肌で感じているんです。
T)
そうなんですね。実は私、去年の6月から10月まで毎日同じサンダルを履いて足の甲に日焼け止めを塗らずに焼いて、どうなるか自分の肌で実験をしていて。今も1カ月毎に写真を撮っているんです。
U)えぇ!どうでしたか?
T)秋には真っ黒になりましたが、11月~3月までの5ヵ月で日焼け跡は消えたし、シミも出来ませんでした。後は、今私が40代なのでターンオーバーが早い若い方は、もっと早く肌の色が元に戻るんだろうなと思っていて。それで、先ほどの先生の漁師の話に戻るのですが、例えばずっと焼いていなくて夏になって急にバッと焼くとダメージを受けるかもしれないけれど、徐々に毎日慣れていったらダメージも受けづらくなるんじゃないのかな、と自分の肌を見て思ったのですが、どうでしょうか?
-
【40代日焼け跡はどれくらいで消える?】1シーズン日焼け止めをやめて焼いた肌は、何カ月で色が消える?
続きを見る
U)そういうこともありますね。日本人は皮膚の中にメラニンという日焼け止めを持っている人種なんですよ。
T)メラニンが天然の日焼け止めとして、肌を守ってくれているという感じですか?
U)そうですね。ですので、日焼けに対しては白人とは違うんですよ。白人は胸などにシミが出来ている方は多いのですが、白人の方は炎症が起きやすいんですね。
T)日焼けによって日本人は炎症しにくくて、白人は皮膚が炎症を起こしやすい、という事ですか?
U)その傾向はあります。白人は肌が弱いというか。赤ちゃんの様なキメ細かい綺麗な肌をしているんですね。普通は三角のキメが並んでいるのですが、赤ちゃんのキメは小さい粒々が並んでいるんです。ただ、日本人でも本当に肌が綺麗な方は同じ様な肌をしていて、日本人でも沢山いるんですよ。10人中3人くらいいると思うんですよ。
そういう方達は何もつけなくても、マシュマロみたいな綺麗で最高の肌なのですが、欠点がありまして。そういう方は、化学物質に弱くて、化粧品をつけると炎症を起こし易く、赤くなりやすいんですね。
T)なるほど。赤ちゃんのような肌を持っている方は肌に炎症を起こしやすいので、その炎症の部分に紫外線が当たるとシミが出来やすい、ということですね。
U)そう。炎症を起こすと(肌は)乾燥しやすいし、シミにもなりやすいんですね。何故かというと、炎症を起こした肌は紫外線に当たると細胞の遺伝子が壊れやすくなります。それを守ろうとして色素細胞が色素をたくさん出すので、結果としてシミになってしまうんです。
ちなみに、なぜ赤ちゃんの様な最高な肌は炎症を起こしやすいのかというと、バリアが弱くて、皮膚から色んなものが吸収されやすいんです。特に界面活性剤や化粧品に入っている多くの成分は1つ1つ赤ちゃん肌に対する経皮毒性を調べていないので、人によっては成分の1つ2つが合わない人もいます。そういう方達の肌には日焼け止めなども良くありません。日焼け止めが特に合わないタイプの肌の人がいる事にここ5,6年で気がついたんですね。
日焼け止めを肌に塗る害
U)
あとは、日焼け止めその物の害を考えると、例えば日焼け止めを薄く綺麗に均等に塗らず、ムラムラに塗ったらムラムラに焼けちゃうじゃないですか?
T)
そうですね。海水浴時に背中とか、ムラムラに日焼けした事があります。
U)背中以外でも汗などで日焼け止めが流れてしまうので、流れたとおりに日焼けをしてしまうんですね。それと1度是非、日焼け止めを鏡に塗ってみて欲しいんです。そうすると、必ずと言っていいほど均一には塗れていない事が分かるんですよ。薄く塗られている部分と濃く塗られている部分が常にできるので、同じ厚みで均等に日焼け止めが塗られる事は有り得ないんです。毎日毎日それを繰り返していくと、ムラ焼けの蓄積が出来ていきます。ムラ焼けでなんとなく肌がくすんでいる、という方をよく見ると、地図みたいに色素が混じり合って、ここは茶色いけどここは綺麗、という肌になっているんですね。
T)そういう方に対しての治療はしづらい、という感じですか?
U)くすみをレーザーで均等に照射して治療をするとどうなるかというと、白い所はどんどん白くなるんです。レーザー治療をすればするほど、ムラムラが浮き出てきてしまうんです。そうなるとやっぱり治療もしにくいし、そのムラを綺麗に治すというのは極めて難しい。そういう事もあるので、むしろ漁師の肌の様に全体的に焼いてしまえば、治療も簡単なんですよ。特にシミは一発で治療が出来るんです。
※鏡に日焼け止めを均一に塗ってから、光を当てた状態。丁寧に塗ってもムラムラになるのが良く分かります。
改めて、日焼け止めは出来るだけ塗らずに帽子&日傘で紫外線対策をしようと思いました。
さて、次回の記事はシミと同じくらい気になるお話、シワと弛みが出来る原因についてお話をしていきます。
日焼けをするから、シワが出来たり弛みが出来ると思っている方は多いのではないでしょうか。私も数年前までシワや弛みが怖くて365日日焼け止めを塗っていましたが、どうやら日焼けだけが原因ではないようなのです。
シワや弛みが気になっている方は、以下のリンクより”インタビュー③”を見てみて下さいね。
\続きはこちら/
-
宇津木龍一先生インタビュー③日焼けによってシワと弛みが出来るのではなく皮膚が薄くなる事が原因
続きを見る
宇津木流フルーツフルエイジング:動画で学ぶ
宇津木先生は今YouTubeチャンネル宇津木流フルーツフルエイジングで発信をされています。こちらの動画でも日焼けについてお話をされているので、是非見てみて下さいね。
\日焼け跡が消えるまでの経過写真/
-
【40代日焼け跡はどれくらいで消える?】1シーズン日焼け止めをやめて焼いた肌は、何カ月で色が消える?
続きを見る
\日焼けについての関連記事/
-
【宇津木式スキンケア・肌断食をしている最中のシミ予防対策】日焼け止め、基礎化粧品、美容医療以外で出来る方法
続きを見る
-
日焼け止めをやめたメリット・デメリットとは?紫外線を完全防備をするのは肌に良くない?
続きを見る
-
宇津木流スキンケア(肌断食)をしている私が、日焼け止めを毎日塗るのをやめた”3つの理由”
続きを見る